2010年01月26日

『日本の個人消費の行方』は?

1か月ぶりの更新となります。

この間に市民講座の講師をやったり、調査等で秋田をしばらく離れていました。
普段の仕事ではメンタルケアに追われ、アタフタしておりました。

そんなこんなで1か月間ブログは休んでいましたが、マッドハカセは相変わらずです。
溜まりに溜まった新聞を読んだり、十数冊のビジネス書を読んでいました。

その中で気になった本をご紹介しましょう。


「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

  • 作者: 松田 久一
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/11/13
  • メディア: 単行本





シンプル族の反乱

シンプル族の反乱

  • 作者: 三浦 展
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2009/07/09
  • メディア: 新書





欲しがらない若者たち(日経プレミアシリーズ)

欲しがらない若者たち(日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 山岡 拓
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/12/09
  • メディア: 新書




いずれも消費をしない若者達の実情を、各種データや分析から書かれています。
一言で感想を述べると… 「不安」
といったところでしょうか。


しかし、ネガティブに物事を考えても先へは進めません。
内部(日本)から日本経済を見ればそうですが、外部からみたらどうなのでしょうか?

『日本の個人消費の行方』をイケアの日本進出を成功させた欧州ビジネス協会のトミー・クルバーグ会長は、次のようにお話していました。

「デフレと呼ばれるマクロ現象をミクロの視点で観察すると、必ずしも悲観しなくてもよいのではないか。多くの人がユニクロで安い服を買えば、少数の人が高級ブランド品を買うより消費は大きくなる。高品質=高価格から高品質=低価格へと消費のトレンドの変化が劇的に起きている。日本の消費者は変わりつつある」

「消費者とは買い物の現場で発想を膨らませるものだ。低価格で買い物を楽しむことで、人々の間にモノを買う行為への抵抗感が薄れ、消費をめぐる楽観論が広がる。将来的に値段が下がると予測して買い控えが起き、消費が落ち込むという悪質デフレが進行している印象はない」

(2010年1月26日 日本経済新聞より)


消費のトレンドの劇的変化であり、若者達の実情のような悪質デフレではないとすれば、
「不安」を抱えて立ち止まるのではなく、その変化に対応する術を得るために前へ進まなくてはいけないのです。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 23:46| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月07日

読書会で議論したい

同じ本を読んで語り合う「読書会」が、20〜30代の間で静かに人気を集めているようです。交流サイト(SNS)などを通じて見知らぬ人同士が集まり、経済や環境、社会問題について意見を交わすのです。

時には激論も交わされる読書会を若者が求めるそのココロは…

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「読書会人気の裏には議論の欲求がある。身近では難しいため、読書会で発散している」
「(友達同士では)気まずい雰囲気をつくりたくない。だから真剣な話はしにくい」

大阪大学の辻大介順教授は、「今の若者は友達などとは関係を守るため、普段は議論を避ける傾向がある」と指摘しています。しかし、自分の思いや意見を主張する欲求は消えていないそうです。

「ステップアップのため、議論を戦わせ知識を吸収する必要に迫られることもある」
「本を読むだけでなく、感想を話し合って知識を定着させれば、自分の可能性がもっと広がるはず」

背景にあるのは将来への不安や、今後の働き方への悩みがあるようです。

「読書会に参加する人は意識が高い。自分を高められる上、魅力ある異性と出会う機会にもなる」

中には読書会を仕事の人脈作りやパートナー探しに生かす人もいます。

若者文化に詳しい東京学芸大学の浅野智彦順教授は、「どんな会社に入っても安心できない時代。といって何の目標も持たずに資格などの勉強をする意欲は持ちにくい。その点、読書会は将来を考える知識と教養を得る場にはなるから、人気を集める」とみています。

求められているのは議論の場で、今後はさらに読書会が広がりそうです。

(2009年9月3日 日経新聞より)


マッドハカセも、「本の交流で、秋田の文化の向上を! 」の大雪さんの読書会に参加しています。

これまで2回開催され、いずれの会もいい議論の場になりました!
次回は10月頃、開催予定だそうです。

大雪さんの読書会も参加人数が増えていますので、広がりそうですね。
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2009年05月29日

本読む親の子どもは優秀

「成績上位の子どもの保護者は本をよく読む」

「下位の子の親が好むのはテレビのワイドショー」

お茶の水女子大とベネッセ教育研究開発センターが共同で調査したところ、親をハッとさせるこんな結果が出たそうです。保護者の普段の行動と子どもの学力には強い関係性があるみたいです。

調査は07年11月〜08年2月、各地の5年生2952人と保護者2744人に実施。子どもにはベネッセのテストを解いてもらい、保護者には普段の行動などを選択肢から選んでもらったそうです。

国語の成績を見てみますと、上位4分の1の最上位層の保護者の70.6%が「本(漫画や雑誌を除く)を読む」と答えたのに対し、下から4分の1の最下位層は56.9%にとどまり、13.7ポイントの差があったそうです。

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(2009年5月27日 朝日新聞より)



本を読むことはとても大切ですね。

子どもは“共感力”の達人ですから、お父さんと同じく、お母さんと同じく…
といった感じに真似をして育っていきます。
その結果がこれですね。

と言いつつも、このところ未読の本が増えているマッドハカセです…
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 00:57| 秋田 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月25日

Discover Japan 「世界発>>地方着」

日本の魅力を再発見する雑誌、Discover Japan 【ディスカバー・ジャパン】最新号では、地方の魅力を特集しています。

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ディスカバー・ジャパン Spring 2009 vol.4

◆◆◆

いま世界は

日本の地方に夢中です

日本の中心は東京です。政治も経済もすべて東京中心に動いています。
その結果、東京にはあふれんばかりの人が集まり、建物がひしめき、道路はいつも大渋滞……、大変なことになっています。
しかし東京に暮らしている人にとってそれが普通です。それで豊かだと思っています。
果たしてそれでいいのでしょうか。

かつて地方はそんな東京の人たちを呼ぶために東京の商業施設のミニチュア版や海外のテーマパークを真似たもの、海外を模した○○村などを観光の目玉として次々とつくりました。
しかし、都会からの旅行者はそんなものは求めていませんでした。
都会の喧騒を離れるために地方を訪れるのですから東京にはないものを感じたいのです。
何気ない田園風景や隣の畑でとれる野菜、季節に採れる山菜、目の前で揚がる魚介の料理があるだけで十分なのです。
そんな東京⇔地方のズレが最近は解消されつつあると思います。
地方は豊かです。景色、食、工芸品を生んだ素晴らしい風土があります。
それをもっと自慢してください。
地方がもっと地方らしさを発揮できれば
東京にこんなに人が集中することはないかもしれません。
豊かな暮らしは地方にあるといっては言い過ぎでしょうか。

いまから半世紀以上も前にドイツ人建築家のブルーノ・タウトが日本にやってきて、桂離宮の素晴らしさを世界中に知らしめました。
異国の視点から日本を見るとときどきハッとするようなことがあります。
海外の人が素晴らしいと思っている日本を、
日本人のわたしたちはどれだけ知っているのでしょうか。
まずはそんなところから今回の特集をはじめましょう。

そうだ地方へ行こう。

(ディスカバー・ジャパン Spring 2009 vol.4 より引用)

◆◆◆


これからは地方の時代です。

地方が元気にならないと、日本が元気にならない!

そんなことをお話されていた著名人もいました。

ディスカバー・ジャパン最新号には、地方が元気になるための『魅力』『再発見』が書かれています。これをヒントに『魅力』あるモノづくりをし、地方らしさを発揮できれば、必ず元気になりますね。
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2009年01月07日

「資料」 と 「インテリジェンス」

以前、読売新聞の 「本よみうり堂」 に掲載されたお話です。

ジャーナリストで漫画家の 三神 万里子さんは、松村つとむ著 『オペレーショナル・インテリジェンス 意思決定のための作戦情報理論』 を紹介していました。本の紹介の中で、 「資料」 と 「インテリジェンス」 について取り上げていました。

◆◆◆

目的が曖昧なまま雑多にかき集めた情報は 「資料」 でしかない。評価し処理して初めて、意思決定の確度を上げる 「インテリジェンス」 になるが、これも適切に使用しなければ結果につながらない。そして最前線の情勢ほど、他人の解釈を介すべきではないという。

(2008年4月13日 読売新聞より抜粋)

◆◆◆




マッドハカセも新聞の情報を集める時に、このことに注意をしています。
いくつかの新聞から似たような情報を集め、これを1つの情報としてます。
これが 「インテリジェンス」 になるのですね。

「情報」 「情報」 …  評価  処理  「インテリジェンス」

まだこの本を読んでいませんが、情報のクオリティーを上げるためには読んでおきたい1冊ですね。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 23:59| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月15日

読書のススメ『事例で学ぶ! 地域ブランドの成功法則33』

久々に本の紹介です。

今日ご紹介する本は、『事例で学ぶ! 地域ブランドの成功法則33』(田中章雄著、光文社)です。

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「地域ブランド」とは?

よく聞く言葉ですが…

「地域ブランド」とは何か?
「地域ブランド」を確立するにはどうすればいいか?
「地域ブランド」の評価を守るにはどうすればいいか?

「地域ブランド」自体が漠然としていて、知っているけどよくわからないのが本当のところでしょうか。

『事例で学ぶ! 地域ブランドの成功法則33』は「地域ブランド」成功の法則がわかる、これまでありそうでなかった「地域ブランド」成功のための教科書です。

『地域ブランドの成功法則33』の一部をご紹介しましょう。


◆◆◆

ブランドとは、徹底したこだわりにより差別的優位性がつくられた商品に与えられる称号である

その産地や原材料などへのこだわりと、それを文明化した基準がブランド化には必要。その基準が厳しければ厳しいほど、他産地との差別化につながり、商品の魅力を高めることにつながる。

ブランドの魅力を伝えるためには、消費者視点での話題づくりと積極的な情報発信が不可欠。

消費者のニーズを満たすだけでは、ブランドにならない。強く心に残る驚きや発見が必要である。

地域資源は、自然資源、歴史・文化資源、モノ資源、サービス資源の4つから構成され、この資源の集合体が「まち」の魅力である。

地域の魅力と課題を抽出し、魅力は商品化課題はその解決に取り組むこと。それが地域ブランドのシナリオになる。

◆◆◆


なるほど!
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 01:00| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月11日

『BRUTUS』最新号は地方都市特集

『BRUTUS』の最新号に、地方都市が特集されていました。

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ユニークかつ魅力的な景色、人、文化…

好きです、地方都市!


東京や大阪といった大都市もエキサイティングで面白いのですが、アイデアとパワーに溢れる“地方都市”が今すごく魅力的なんです。奈良美智が弘前市を、梅佳代が能登町を…と、その土地出身の有名人が地元自慢したり、21の地方都市のおすすめポイントを紹介している今号。地方に故郷を持つ人も持たない人も、懐かしさや新鮮さを求めて、その都市や町にふらりと足を運びたくなるはず!

(magazineworld.jp より引用)


秋田の話題として、「ポン太君」、「曲げわっぱ」、「超人ネイガー」が載っていました。

「これからは地方の時代」

「地方が日本を活性化する」

などと言われています。

最新号の『BRUTUS』は、そんなアクティブな地方の姿を雰囲気を伝えています。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 22:57| 秋田 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月30日

読書のススメ『頭の中を見せてもらった』

今回ご紹介するのは、本ではなく、朝日新聞に記載された細馬広通さん(滋賀県立大准教授)のお話です。

◆◆◆

『頭の中を見せてもらった』

 高校生のときに、奇妙な読書をした。
 音楽鑑賞の時間に、聴きながら本を読んでいいと言われて、図書室で
借りた本を取り出した。隣にいた中尾くんが「読んでいい?」と言った。
それで、1冊の小説を2人で読むことにした。
 読み始めてから、しまったと思った。スピードがまるで合わない。2段
組でびっしりと字が詰まっている小説を中尾くんはゆっくりと読んでいる。
私はすぐに読み飛ばしてしまう。ページの端に手をかけてちらと見ると、
中尾くんもこちらに気づいて、すまなそうに目を落とす。しばらくかかり
そうなので、見開きの最初からもう一度読み直す。やがて中尾くんが顔
をあげてこちらを見る。それでようやくページをめくる。
 しかたないので、中尾くんの目線を追って、ゆっくり読むことにした。
すると意外に悪くない。中尾くんの速さで読むと、文字の音が頭に染み
渡ってきて、筋書きよりも、文の調子のほうに注意が行くようになる。
ただ、速さを合わせて読んでいるだけなのに、なんだか頭の中を見せて
もらっているみたいだ。中尾くんはいつもこんな風に本を読んでいるのか
と、関心してしまった。
 20年近くたってから中尾くんのことを思い出した。知人と、一つしかな
いメニューを2人で見ながら、ページの端に手をかけたら「あ」と相手が言
った。ああ、まだ何にするか決めてなかったのかと気づいてから急に、
あの静かな音楽室の時間が、体によみがえってきた。
 せかすつもりでページに手をかけたわけではない。でも、そのわずかな
動作を見た相手は、思わず「あ」と声をあげた。言われた私は、あわてて
手を引っ込めた。ことばらしいことばを交わさなかったことが、あの奇妙な
読書を思い出させたのかもしれない。
 さらりとめくる前に、ふとページに触れる手。その手は、相手に何を漏
らしているのだろうか。

(2008年4月27日 朝日新聞 be on Sunday より)

◆◆◆

一風変わった読書のお話でした。

速さを合わせて読んでいるだけで、相手の頭の中を見せてもらっているみたいな感覚…
安らいだ心がなせる読書ですね。

ストレスに包まれたとき、2人で読む読書が効果的かもしれません。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 21:50| 秋田 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月24日

読書のススメ『売れる21の法則』

今年掲げた目標通り、10日で1冊の本を読み終えたマッドハカセ…

今日はご紹介する本は、『売れる21の法則』(村山涼一著 中経出版)です。

100以上のヒット商品を詳細に分析し、21の法則にまとめた本です。

どんなモノづくりでも、既存の商品を分析することから始めますね。
そして、「なぜ売れているのか?」「どこが魅力的なのか?」などを探し出し、新商品をつくり出します。

しかし、どういう視点で分析すればいいのか?…と迷った方は多いのではないでしょうか。
それは、視点の「物差し」が無かったからかもしれません。

『売れる21の法則』は、その「物差し」を提供してくれる一冊です。

それでは、マッドハカセがチェックした本の中身をご紹介しましょう。

◆◆◆

「創造性を加味すれば、後発商品でも勝てる」

【1】技術…先発商品と同じか、やや凌駕する程度でよい
【2】低価格…競合他社のものより安くする
【3】広告戦略や流通網を駆使して、市場を席巻する

消費者が手を加えられる余地を残して、つくりあげていく楽しみをユーザーに
たくすと商品は意外と当たる。

一度記憶されてしまった「第一印象」を変えることは、ほとんど不可能に近い
からである。

商品の「意味」や「価値」を、「物語の形式」で訴求し、人の心に入り込むこと
が大切な時代になっている。

今や、「機能」を宣伝しても、技術や先進性に対しては、ユーザーは関心を示さ
ない。

「既存の商品より優れた機能を盛り込むこと」ではなく、「新しいカテゴリーに
なりうるだけの斬新さがあるかどうか」である。

「カテゴリーA」から「カテゴリーB」に位置づけを変えると、売上げが変わる

一番手から遅れてスタートするより、「ヒット商品に付属して生まれる次のニーズ」
をキャッチするほうが、ずっと賢い戦略なのだ。

付加価値を追いかけようとする企業は多いが、成熟社会の今、「機能」も「サービス」
もすでに飽和状態で、「使いきれない付加価値」に消費者もうんざりしているのだ。

すこしオシャレにすれば、昔ながらの業態はウケる

最近のヒット商品は、「ニーズ」ではなく、「ウォンツ」に合致したものが多い。
マーケティングの世界では、潜在的な欲求のことを「ウォンツ」と呼ぶ。

「80%の売上げをつくる20%の優良顧客」と特別扱いして囲い込め

機能はそのままでも「新しい意味づけ」に成功した商品が。大ヒットする

固定観念にとらわれず、「非常識」な発想ができる「思考力」にこそ、勝負がかかって
いる。何度も言うが、「機能がいいだけ」で売れる時代ではないのだ。

◆◆◆

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『売れる21の法則』

非常に見やすく、読みやすくまとめられていましたので、楽しく読むことができました。

各法則ごとにお話が完結しているので、どこから読んでも内容を理解できますね。


◆ 『売れる21の法則』 目次はこちら ◆
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 21:39| 秋田 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月13日

読書のススメ『買わせる技術』

10日に1冊のペースで本を読むと目標を定めましたが…13日目です。

まあまあ…ですね。

今日ご紹介する本は、『買わせる技術』(松本明子著 KKベストセラーズ)です。

ところで、男脳と女脳があることをご存知でしたか?
モノを買うときに、この二つの脳は違う見かた、違う感じ方をするのです。「女性をターゲットに!」ということはよく聞きますが、単なるスケベ心ではなく、ちゃんとした理論的な背景があるのです。それを解説しているのが『買わせる技術』なのです。

それでは、マッドハカセがチェックした本の中身をご紹介しましょう。

◆◆◆

モノ余りの時代で、欲しいモノが浮かばず、店頭で衝動買いが主流になるのだと。

レジの前でようやく、「前から買おうと思っていたし」とか、「雑誌を見て、欲しいと思
っていたのよね」と思考が動き出し、自分自身を納得させています。
そう! 思考は後なんです! 先に動くのは、手なんですよ!

「買ってしまう」瞬間には、脳内で過去の快感情報と、今、目の前に見ているモノとの
「つながり」が起きているのです。

「なんとなく良さそう」
そんな買い物の多さから気が付いた、「人は気持ちよくなりたくて買い物をする」という
法則。カスタマー・ハピネス=CH

「しっとり」とか、「さらさら」とか、口でも肌でも、どちらでも使える快感表現です。
食品を売る場合は化粧品を、化粧品を売る場合は食品のヒット商品を気をつけてみて
ください。

ちょっとした新しさは、デザインの新鮮さであったり、今までにないサイズであったり、
本当にちょっとしたことで作れます。

機能だけでは売れないですから、そのモノの世界感を伝えることが重要になってきます。

人は「過去の快感」に引っ張られる形で、自分でもなぜ買ったかわからないままに買い
物をします。ですから、逆にあなたが買ってもらいたいと思えば、お客さまの「快感」を
見つける必要があるのです。

ものすごく好みのモノになると、価格さえ度外視してしまいます!
つまり、「私らしさ」というのは、モノが溢れた現在、売るためのコンセプトとなりうる
ものなのです。

◆◆◆



女性の視点から、消費者をよく捉えた本ですね。
男性の方でも、女性の「買ってしまう」がおもしろいほどわかり、男性の「買ってしまう」には思わずうなずいてしまいます。
もちろん女性の方が読めば、その内容に共感することでしょう。

「カスタマー・ハピネス=CH」に関しては、著者の前作『あっ、買っちゃった。』で詳しく解説されています。


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2008年04月08日

BRUTUS『日本経済入門』

BRUTUS 637(最新号)は、『日本経済入門』です。
その一部をご紹介します。


ある時、矢沢永吉さんのファンクラブの会報に、こんな記事が載りました。

「吉野家の牛丼は罪だ!」って、冗談で言ったことがある。280円で学
生諸君を腹いっぱいにさせちゃイカン、と言ったわけ。なぜかっていうと、
280円で皆がお腹いっぱいになったら誰が働くんだよ、と。僕は吉野家
を嫌いじゃないけど、せめて1000円くらい出さないと腹いっぱいにな
らないようにしたら、もっと頑張るよ、みんな。500円あれば昼と夜の
飯が食えると考えるヤツの何人が這い上がっていく? 何でも安けりゃい
いってもんじゃない。安けりゃ良いっていうのは、一歩間違えたら罪なん
だよね、やっぱり。

矢沢永吉のファンクラブ会報『Club News vol.98 2004 October』より抜粋


矢沢永吉さんの言葉は、説得力がケタ違いですね。
しかも、経済の本質を突いています。

「経済学者・評論家お断り」の、今回のBRUTUS…
15人(組)の賢者たちの言葉を、15冊の新書としてまとめています。

続きは、BRUTUS 637でどうぞ!

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http://magazineworld.jp/
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2008年04月01日

読書のススメ『博報堂スタイル』

マッドハカセの今年の目標は、10日に1冊のペースで本を読むことです。
今のところ、1ヶ月に1冊のペースです…(ダメですね…)

では、1ヶ月ぶりに読んだ本をご紹介します。

『博報堂スタイル』(高橋宣行著 PHP研究所)

博報堂の考える姿勢、「広告屋の根っこ」をまとめた本です。「生活者と企業のまん中」に位置し、新しい豊かさと快適さを創造し提供する博報堂のスタイルは、ビジネスマンの基本姿勢であり、モノづくりの考え方の基本にもなります。
早速、マッドハカセがチェックした本の中身をご紹介しましょう。


「瞬間的インパクトを求める広告」から「長い目で生活者との関係を築く広告」へ。

「細分化も大事だが、それだけで済ますと大きなものが見えなくなります」今や仕事のヒントは、会社の外に求める時代なのです。

今のモノ余りの社会は、個人の好き嫌いが100%通る社会でもあります。高品質だけでは価値はない。人間の生き方、暮し方の提案を含めて、付加価値が必要です。

いいクリエイターは、普段のことにおそろしく気付く人です。発明家じゃなく、発見家と言ったらいいのでしょうか。広告は生活者のものです。人間の暮らしの中に深く入っていくものです。一番大事なものは、私たちの生活の周辺にあります。

生活者最優先社会は、個性を求め、デザインにお金をかける時代になりました。機能よりデザインを求めています。単に豊かになったというだけでなく、個の主張がより強くなってきているのです。生活者のIQもEQも感度もさらに高くなっていくとしたら、アート感のないものは消えてゆくしかありません。

今モノの「意味」が問われています。モノの機能や効率を売るのではなく、そのモノが自分の幸せに何をしてくれるのか。感動や幸せや快適さに通じる「意味」を売るのです。「できたモノをどう売るのかではなく、売れるものをどう創るか」という発想が不可欠です。

hakuhodo_001.jpg『博報堂スタイル』

この本を読み終わり、あることに気付きました。

『佐藤可士和の超整理術』(佐藤可士和著 日本経済新聞社)と「根っこ」が同じなのです。
佐藤可士和さんは元々博報堂の社員でしたので、「根っこ」にそのスピリッツがあるのでしょう。



マッドハカセは、2冊の読み比べをおすすめします。

まずは、『博報堂スタイル』で「広告屋の根っこ」を読んでみて下さい。
そして、『佐藤可士和の超整理術』で「根っこの使い方」を読んでみて下さい。

モノづくりの考え方の「根っこ」が変わります。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 21:42| 秋田 ☁| Comment(4) | TrackBack(3) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月27日

読書のススメ「フェルミ推定」

マッドハカセの今年の目標は、10日に1冊のペースで本を読むことです。
しかし、達成されていません…

マッドハカセの友人で、エリエスブックコンサルティングの土井英司さんは、1日3冊もの本を読む「読書のプロ」です。

そんな土井さんが教える、『読書を習慣化するコツ』をご紹介しましょう。

◆読書の時間をスケジュールに組み込む◆

空いた時間で、と思っても、まずできないので、あらかじめ時間を確保する。難しければ通勤電車の中や、ランチを10分で食べ終え、残りの時間をあてる。土・日も休まず継続を。

◆本を切らさない◆

毎日読み続けるには、モチベーションの管理が大事。その日の気分に応じ、いろいろなジャンルの本を絶えず手元に用意しておく。一般に夜は勉強のための本、朝は楽しい本が向いている。

◆引用されている本をまとめて買う◆

読んでいる本に引用されている文献のタイトルは必ずチェックし、読み終わったら全部まとめて購入する。引用されているものは重要な本であることが多い。また自分が共感する可能性が高い。

(2007年12月15日 日本経済新聞 プラス1より)


マッドハカセは、2番目の「本を切らさない」を達成していますが、貯まる一方です…
今は、『地頭力を鍛える“問題解決に活かす「フェルミ推定」”』(細谷 功著 東洋経済新聞社)を読んでいます。




マッドハカセが大学生の頃、研究室の先生によく怒られていました…

先生「あの実験の結果はどうなった?」
マッド「やってませんが、うまくいくと思います」
先生「なぜ、そんなことがわかるんだ?」
マッド「〇〇からすると、大丈夫です!」
先生「お前は馬鹿か!!」

といった感じです。
その頃は、できの悪い学生ということになってしまいましたが、実は「フェルミ推定」をして答えていたのですね。
もちろん、実験はうまくいきました。

実験科学の世界では、「フェルミ推定」の道理を受け入れてもらえないようです。
しかし、そんな世界だからこそ、『地頭力を鍛える』を科学者に読んでもらいたいとマッドハカセは思いました。

この「フェルミ推定」、ビジネスなどいろんな場面で活用できますよ。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 22:40| 秋田 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月03日

『ハッピーカラーバイブル』

今回は色に関する本の紹介です。

ハッピーカラーバイブル

著者は、カラーセラピストのデューイ・サッカさんです。

これまでお話した「色」の内容からすると、少し違う系統の「色」の本かもしれません。
これは、カラーセラピーの本です。

マッドハカセが、なぜこの本を紹介したかと言いますと、色の力を実感してもらいたいと思ったからです。

「プライマリー色」「セカンダリー色」「アクロマティック色」を選ぶだけで、自分がどんな人間で、どのように人と接し、判断し、問題を解決し、世間に対処しているかがわかります。

ちなみに、マッドハカセは「助言をする人」だそうです。
たしかに「モノづくりのヒント」は、助言かもしれません…
当たっていますね。

このように「色」は、隠れた力を持っているのです。
侮れません…
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 00:20| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月28日

『売れるデザインの法則』

今回は、本を紹介します。

売れるデザインの法則

モノづくりのヒント…というより、モノづくりの「考え方」が書かれた本です。
エリエスブックコンサルティングの土井英司さんが発行しているメールマガジン、「ビジネスブックマラソン Vol. 1246」でも紹介されていました。

著者は、デザインコンサルタントの木全 賢(きまた けん)さんです。

デザインというと、芸術的で派手なイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
そして、「モノづくり」と「デザイン」が結びつかないのではないでしょうか?
おそらく、その人の「モノ」は「製品」で止まっているような気がします。
それでは、なかなか売れません。

「商品」にしないと、モノは売れないのです。

ここまでで、「おやっ?」と思ったのではないでしょうか?
そうです、「製品」と「商品」は全く違うのです。

「製品」は、使えるモノになった。食べられるモノになった。という段階です。
「商品」は、売れるモノになった。という段階です。

商品開発の流れを示しますと、

『研究』→『開発』→『製品化』→『商品化』→『市場』

です。

つまり「製品」は、途中の未完成品なのです。
だから、なかなか売れないのです。

「商品」にするためには、どうしたらいいのでしょうか?

紹介した本のタイトルから、もうお分かりかと思いますが…
そのためには「デザインの力」が必要なのです。

『売れるデザインの法則』には、そのノウハウがたくさん詰まっています。

この本は、『製品化』→『商品化』だけのノウハウではありません。
『開発』の段階からのノウハウが書かれています。
マッドハカセも、とても参考になりました。

著者の木全さんは、
「今日では商品デザインが商品開発に欠かせないものになっています」
と言っています。
一方で、
「すべての日本の経営者が、商品開発や企業活動にデザインを取り入れているかというと、決してそんなことはない、というのが現状だと思います」
と言っています。

『売れるデザインの法則』を参考に、モノづくりをすることで、新たな市場が見えてくるかもしれません。
デザインの考え方は、商品開発であり、企業経営でもあるのです。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 18:46| Comment(2) | TrackBack(1) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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