しかし、デザインは最後の飾り付けだけ、パッケージだけやればいいといった安易な考え方をしている人がかなりいます。
これまで見てきた商品開発で、安易な考え方でデザインを使っているモノは、たいてい売れゆきが良くありません。
また学生がデザインしたモノも、一時、新聞などのメディアで話題になり、好評を得ますが、時期を過ぎると商品自体が安く感じてくるせいか、売れなくなります。
(売れてると豪語する人もいますが、しっかりと現実をみましょう)
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
結論からお話しますと、デザインを理解していないですし、デザインを安くみているからです。
売れないモノに化粧してもダメなのです。
デザインを辞書で引くと…
設計する
計画する
企てる
下図、図案をつくる
などの意味があります。
デザインとは、開発すべてに共通するものを考えることなのです(ここが本質的なデザイン)。 そしてデザイナーがこれを踏まえ、リアリティーあるモノに仕立てて商品となるのです。
ですからデザインは、市場や生活者を見つめ、ターゲット(対象)を意識するところから始めなくてはいけません。
デザインの本質は、
見えないものを(Invisible)
↓
見えるものに(Visible)
具体的には、その時代に生活する人達の「考え」「意図」(Invisible)を、「形態」(Visible)として表示することなのです。
デザインには対象がある
デザインには意図がある
デザインは美しくなければならない
つまり、その時代に生きる人々がより豊かな暮らしをするための提案をする作業が、「デザイン」なのです。
そして、提案する作業そのものが「商品開発」なのです。
「商品開発」の一部が「デザイン」なのではなく、「デザイン」と「商品開発」は同等なのです。
飾りつけだけ、パッケージだけにデザインを使うことは間違いだということ、そして、デザインがモノづくりにおいて、かなり重要な位置にあることが理解できたかと思います。
大手広告代理店の博報堂は、一つの商品パッケージと広告を仕上げるのに、その会社の社員研修から手掛けるというお話を聞いたことがあります。
まさにこれが、デザインのあり方ですね。