ミートソースパスタ1人前に使われている水の量。
その量を作るなら、3Lの水で十分です。
1400Lも使うとは、ずいぶんと贅沢な茹で方ですね。
いいえ、違うのです。
パスタを茹でるための水の量ではありません。
たった1人前の、パスタの原料(小麦粉など)を作るために使われた水の量と、ミートソースの原料(牛など)を作るために使われた水の量が含まれているのです。
このように私たちは、食糧生産に使われた水を「見えない水」として消費し、しかもその多くを外国の水に依存しています(現在の日本の食糧自給率は4割です)。
食糧を輸入することは、間接的に水を輸入するようなもので、こうした仮想的に輸入された水を『バーチャルウォーター(仮想水)』といいます。
マッドハカセはこの『バーチャルウォーター』を、東京ミッドタウン内にある「21_21 DESIGN SIGHT」で開催された、第2回企画展 佐藤卓ディレクション water ではじめて知りました。
『バーチャルウォーター』を教えてくれたのが、“見えない水の発券機”という展示作品でした。
「牛丼」 「味噌汁」 「ハンバーガー」 「ざるそば」 「ビール(大瓶)」 「アイスクリーム」 「コーンスナック」 「オムレツ」 「トースト2枚」 「ミートソース」 「砂糖」
その作品の入り口には、いろんな食品のサンプルが並んでいました。
どれもみな、おいしそうです。
(これは、マッドハカセのイメージです)
そして出口には、発券機がありました。
(これも、マッドハカセのイメージです)
マッドハカセは「ビール」と「ハンバーガー」を買う感覚で、発券機のボタンを押しました。すると、食券らしきものが発行されました。
よく見ると、何やら数字が書かれていました。
170L… 1000L…
この数字、これが『バーチャルウォーター』なのです。
なんと、「ビール」と「ハンバーガー」を生産するために、海外では1170Lもの水資源が使われていたのです!
驚きです!
他の食品の『バーチャルウォーター』は、どれだけの量なのでしょうか?
早速、見てみましょう。
「牛丼」:2000L
牛肉
70g×20000L/kg=1400L(1.4トン)
ご飯
120g×3600L/kg=432L(約0.4トン)
これにタマネギ等を加えると、だいたい2000L(約2トン)という水資源投入量になる。
「味噌汁」:20L
味噌
15g×1200L/kg =18L
大根
20g×100L/kg=2.0L
水
300cc=0.3L
「ハンバーガー」:1000L
牛肉:45g×20000L/kg=900L
パン:45g×1600L/kg=72L
レタス:80g×350L/kg=28L
合計:1000Lとなる。
「ざるそば」:700L
そば(蕎麦70%小麦30%)
150g×4600L/Kg=690L
*そば粉の割合が増えれば、更にバーチャルウォーターも増える。
「ビール(大瓶)」:170L
ビール大瓶
633mL×268L/kg≒170L
「アイスクリーム」:400L
牛乳
100g×560L/kg=56L
生クリーム
30g×3740L/kg=112L
卵黄大
60g×3200L/kg=192L
砂糖
30g×1400L/kg=42L
≒400L
「コーンスナック」:180L
トウモロコシ
95g×1900L/kg=180L
「オムレツ」:600L
卵小2個
100g×3200L/kg=320L
バター
20g×13200L/kg=264L
牛乳
20g×560L/kg=11L
≒600L
「トースト2枚」:200L
トースト(食パン2枚)
120g×1600L/kg=192L(約200L)
「ミートソース」:1400L
パスタ
100g×2000L/kg=200L
牛肉
37.5g×20000L/kg=750L
豚肉
37.5g×6000L/kg=約220L
「砂糖5g」:7L
砂糖
5g×1400L/kg=7L
(東京大学生産技術研究所の沖大幹教授らの試算した水資源投入量のデータより)
http://v-water.jp/index.php
なるほどです。
節水だけでは、世界の水の節約にはならないのですね。
私たちはまさに“地球を食べ、地球を飲んでいる”のです。
『バーチャルウォーター』がよくわかりました。
ところで、この『バーチャルウォーター』のお話は、一見モノづくりと関係がないように思われます。
ところが、“見えない水の発券機”という作品には、モノづくりの真髄というべき「仕掛け」と「仕立て」があるのです。
なので、マッドハカセはこのお話をしました。
『バーチャルウォーター』は、大学の論文になってしまうほど難しいお話です。
しかしそれを、「食堂へ行き、サンプルを見て、食券を買う」という、日常行動に結びつけることで分かり易くしているのです。
これこそ「仕掛け」ですね。
シンプルに… 単純に… ミニマムに… デザインの基本がそれを実現しているのです。
“見えない水の発券機”の中で、「私たちをとりまく社会」と「科学」が、「デザイン」によって結ばれていました。
しかも、違和感なく、そして美しくです。
これが「仕立て」ですね。
「21_21 DESIGN SIGHT」
次は、どんな「仕掛け」と「仕立て」を用意しているのでしょうか。
タグ:佐藤卓 東京大学 生産 食糧 21_21 DESIGN SIGHT 自給率 見えない水 水 仮想水 見えない水の発券機 仕立て 仕掛け 沖大幹 デザイン バーチャルウォーター 東京ミッドタウン
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食料自給率の少ない日本は仮想水も大量に消費しますが、フードマイレージもダントツの一位です。
早急に季節にあった旬の農産物を地産地消するようにしないと行けないと思います。
トラバ、ありがとうございました。
そうですね、最近の食糧事情から考えると地産地消は重要ですね。そのためにも、自給率の高い北海道と秋田は頑張らなくてはいけませんね。