2009年06月05日

「秋味」発売日と『生気象学』

キリンビールの秋季限定ビール「秋味」は、なぜ夏真っ盛りの8月26日に発売するのでしょうか?


秋の気配を感じはじめるのは、9月中頃から9月後半だと思います。
だとすれば、8月26日の発売日は1ヶ月も早いことになります。

しかしこの発売日は、とても理にかなっているのです。

今日はその理≠ノついてお話しましょう。



『生気象学』をご存じでしょうか?

『生気象学』とは、大気現象と生命現象の関係を扱う科学の分野です。

生命体の営みは、気候や気象の変化に即応する仕組みとしてできあがっています。その変化が、「温かいものを食べたい」とか「冷たいものを食べたい」などの消費者ニーズにつながっているのです。

ニーズの源となるのが、 『セットポイント』 と 『基礎代謝』 です。

つまりこの2つを理解すれば、「秋味」が8月26日に発売される理由がわかります。


外気温が大きく変化しても…
人の体の中心温度は、約36.5℃で一定です


これを 『セットポイント』 と言います。

この温度を保つために、暑くなれば冷たいものを飲んだり、寒くなれば温かいものを食べたりするのです。裸の人が体温調節できる領域は、上は29℃∞下は15℃≠ニ言われています。

夏場に暑過ぎると人は死んでしまいますし、冬場に外で寝てしまうと凍死してしまいます。それはこの領域を超えているため、『セットポイント』を一定に保てなくなり、生命を維持できなくなるからですね。

seikisyo_001.JPG (クリックすると大きくなります)


次に 『基礎代謝』 です。

基礎代謝とは、目覚めている状態で生命を維持するために
必要最低限必要な1日のエネルギー消費量のことです。


基礎代謝と気温は連動していて、季節によって変化します。
夏は外気温が高くなるため、体内に熱が溜まりがちです。そのため体内の産熱をなるべく抑えるため、基礎代謝を抑えるのです。逆に冬は外気温が下がるため、寒さから身を守ろうとします。なので体内でたくさん産熱し、基礎代謝を増やすのです。

このことを説明した図が、下のグラフです。

seikisyo_002.JPG (クリックすると大きくなります)

次のグラフは、アメリカ軍兵士の毎日のカロリー摂取量と気温の関係を表したグラフです。暑ければ暑いほどカロリーの摂取は少なく、寒ければ寒いほどカロリーの摂取が多くなっています。

これも『基礎代謝』と大きく関係しているのです。

seikisyo_003.JPG (クリックすると大きくなります)

つまり、『基礎代謝の変化量』が食の嗜好を左右しているのです。
なぜ基礎代謝を変化させるかと言うと、『セットポイントを保つ』ためなのです。


人が「お腹が空いた」と感じるときは、血糖値が下がり切ったところではなく、下がり始めたところで感じるのです。それと同じく、基礎代謝も下がり始め、上がり始めで、「暑くなった」、「寒くなった」と無意識に感じています。

下のグラフで下がり始めたところと、上がり始めたところを見てみますと、

下がり始め : 2月後半から3月はじめ
上がり始め : 8月後半から9月中頃


ですね。

この時期の温度を見てみますと、平均15℃29℃なのです。

これはセットポイントでご説明した、「裸の人が体温調節できる領域」の下の温度と上の温度です。

seikisyo_004.JPG (クリックすると大きくなります)


平均気温が29℃≠ノ下がった8月後半から9月中頃≠ノ、体が冬用の準備をするため、人は冬の需要をしはじめるのです。

その時期に「秋味」があれば、体が自然にそれを求め、つい買ってしまうわけです。
ですから、8月26日の発売日は理≠ノかなっているのです。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 06:53| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 飲みモノ・お酒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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