
最近は、各社の定番ビールの多くがやや濃厚な味わいの方へシフトいます。
この濃厚な味わいを構成するコク、苦み、重さ、本格感といった要素は、麦芽100%ビールの特徴にほかなりません。麦芽100%ビールの主戦場は高価格帯で、エビスとプレミアム・モルツの2強が激しく争ってきました。そこへ、レギュラー価格の新・一番搾りとザ・マスターが登場し、ビール4社がしのぎを削る構図になったわけです。
早速、『アサヒ ザ・マスター』と『スーパードライ』を買ってきて、飲み比べをしてみました。

ドイツ伝統“PILS(ピルス)”タイプの『アサヒ ザ・マスター』は、缶に書かれたとおり、「味わい深く、薫り高いビール」に仕上がっていました。定番のスーパードライは喉越しがよく、スッキリとした味わいで、『アサヒ ザ・マスター』の対極にあるビールですね。
日経トレンディ6月号では、これらのビールを「香り」、「苦み」、「コク」、「モルト感」、「泡立ち」の5段階で評価していました。
『アサヒ ザ・マスター』
「香り」 ☆☆☆
「苦み」 ☆☆☆
「コク」 ☆☆☆☆☆
「モルト感」☆☆☆☆☆
「泡立ち」 ☆☆☆
『スーパードライ』
「香り」 ☆
「苦み」 ☆☆
「コク」 ☆
「モルト感」☆
「泡立ち」 ☆☆☆☆☆
(☆:弱い、☆☆☆☆☆:強い)
『アサヒ ザ・マスター』は『スーパードライ』に少ない部分を強調し、『スーパードライ』は『アサヒ ザ・マスター』で強調されている部分を少なくしてスッキリさせています。
『アサヒ ザ・マスター』こそ、広いシェアを勝ち取るためにつくられた最高の姉妹品ですね。