その理由は「シーズ」も「ニーズ」も、根っこは一緒です。
「生活」への理解不足 です。
シーズは、市場における有意性(魅力は何か)がなければいけません。
しかし「生活」への理解が不足すると、自分たちの商品がどの位置で有意なのかがわからないため、とんでもないモノになり、売れなくなってしまうでしょう。
例えば、ものすごく軽い素材がシーズの技術としてあるとします。
その会社はたまたま風呂桶を作っていたので、ものすごく軽い素材で風呂桶を作って売ったとします。
しかもとても高価です。
売れるでしょうか?
売れるはずもありません。
生活の中で風呂桶を持つことなんてありませんから、ものすごく軽いというシーズは役に立たないからです。
この場合、生活の中で「軽ければ便利」というモノを探さなくてはいけません。
ニーズは、客が望むモノ、客が要求するモノ、必要なモノを見つけ出すことから始まります。
「生活」への理解が不足すると、アンケートなどのデータに頼り過ぎてしまい、つくろうとするモノを完全に見失ってしまうことでしょう。
お客さんはいるのか?
どこにお客さんがいるのか?
などのデータを得ることはもちろんですが、もっと「生活」に近づいた視点を持ってニーズを探らなくてはいけません。
どんな思いで、
どんなニーズを持っているのか?
これに関するアンケートデータもたくさんありますが、それではありません。
アンケートは高いお金がかかりますが、得られる情報は意外と少ないのです。
さらに詳細な生活情報を得なければ、モノをつくる際に見失ってしまいます。
例えば…
どんな食事をしているのか?
どんなところで食事をしているのか?
どんなところで使っているのか?
どんな使い方をしているのか?
…
特に中小企業は、アンケートなどの調査から得られるものはほとんどありません。
地方や小さいマーケットはボリュームが小さく、データを取るのが困難だからです。
それよりは、タウンウオッチングなど近くにある情報を得た方が、より「生活」に近づいた情報を得ることができます。
市場に出る
街に出る
デパ地下へ行く
使っている人の話を聞く
ターゲットの話を聞く
…