2010年03月10日

「もったいない」という発想で商品開発は…

「もったいない」という発想から商品開発をする人は、

奇をてらった(奇抜な)商品や、技術的に難しい商品をつくろうとする

傾向があります。


余っている素材や材料を活かすことはとても大切なことなのですが、商品開発やモノづくりの本質を理解していなければ「ただ作った」ことになってしまい、売れるはずもありません。
さらには、開発の段階で時間もお金も失ってしまうこともあります。

このような商品開発をしようとしている人は、使ってくれるお客さんの姿が見えていない場合がほとんどです。

「それは無理ですよね」

と、少し意地悪に仕掛けると、怒り出したり、声や口調が荒々しくなる人が大体そうです。
このような人は、お客さんのことなど少しも考えていません。

お客さんのことを考えて商品開発をする人なら、「こんなにいい素材を使って頂きたい」という気持ちから「何とかならないか」と考え直すはずです。


「もったいない」から考えるのではなく、
その素材や材料からつくったモノには、どんな価値があるのか?
ということを探すところから考えなくてはいけません。

価値がわからないモノは売れません
価値がわかる人だけが買います
だから価値が伝わる商品にしなくてはいけません


価値を探すには、なるべく詳細にそのモノの使われ方を想像することが必要です。
使う人(お客さん)や、その生活を想像するのです。

誰が使うのか?
どこで使うのか?
どのように使うのか?
なぜ使うのか?
いつ使うのか?

そして…
どんなことを望んでいるのか?

このように、当たり前のことを問いかける のです。

答えはその中にある はずです。

それが価値です。


同じスタート地点でも「もったいない」と「使って頂きたい」とでは、商品開発のクオリティーに大きな違いがあることがわかったかと思います。

価値がわかれば、素材や材料そのままで商品になるかもしれません。
(技術や加工の必要がないようであれば、リスクも下がります)
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 00:14| 秋田 ☁| Comment(20) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月09日

「モノ」が売れないのは…

「モノ」が売れない…

その理由は「シーズ」も「ニーズ」も、根っこは一緒です。

「生活」への理解不足 です。



シーズは、市場における有意性(魅力は何か)がなければいけません。
しかし「生活」への理解が不足すると、自分たちの商品がどの位置で有意なのかがわからないため、とんでもないモノになり、売れなくなってしまうでしょう。

例えば、ものすごく軽い素材がシーズの技術としてあるとします。
その会社はたまたま風呂桶を作っていたので、ものすごく軽い素材で風呂桶を作って売ったとします。
しかもとても高価です。

売れるでしょうか?

売れるはずもありません。
生活の中で風呂桶を持つことなんてありませんから、ものすごく軽いというシーズは役に立たないからです。

この場合、生活の中で「軽ければ便利」というモノを探さなくてはいけません。



ニーズは、客が望むモノ、客が要求するモノ、必要なモノを見つけ出すことから始まります。
「生活」への理解が不足すると、アンケートなどのデータに頼り過ぎてしまい、つくろうとするモノを完全に見失ってしまうことでしょう。

お客さんはいるのか?
どこにお客さんがいるのか?


などのデータを得ることはもちろんですが、もっと「生活」に近づいた視点を持ってニーズを探らなくてはいけません。

どんな思いで、
どんなニーズを持っているのか?


これに関するアンケートデータもたくさんありますが、それではありません。
アンケートは高いお金がかかりますが、得られる情報は意外と少ないのです。
さらに詳細な生活情報を得なければ、モノをつくる際に見失ってしまいます。

例えば…

どんな食事をしているのか?
どんなところで食事をしているのか?
どんなところで使っているのか?
どんな使い方をしているのか?


特に中小企業は、アンケートなどの調査から得られるものはほとんどありません。
地方や小さいマーケットはボリュームが小さく、データを取るのが困難だからです。

それよりは、タウンウオッチングなど近くにある情報を得た方が、より「生活」に近づいた情報を得ることができます。

市場に出る
街に出る
デパ地下へ行く
使っている人の話を聞く
ターゲットの話を聞く


posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 01:09| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

「シーズ」と「ニーズ」の両立を

シーズ(seeds) = 製造業者が新しく提供する特別の技術や材料

ニーズ(needs) = 客が望む物。客が要求する物。必要な物。需要

(imidas 1993 別冊付録『最新版 外来語・略語辞典』より)


「シーズ」からのモノづくりはプロダクトアウト%Iなモノづくりで、
「ニーズ」からのモノづくりはマーケットイン%Iなモノづくりと言えます。

どうしても技術屋出身の社長さんがいる会社は、「シーズ」に頼ったプロダクトアウト%Iなモノづくりに偏ってしまいがちです。この場合、機能性を重視し過ぎた商品開発やあれもこれも付けた奇抜な商品開発をしてしまうことがよくあります。

反対に「ニーズ」を重視した会社は、マーケットイン%Iなモノづくりをする傾向にあります。その場合には、模倣品まがいのつまらない商品を開発してしまうことがあり、前例と同様にあれもこれも付けた奇抜な商品開発になってしまうこともあります。

つまり商品開発は、

「シーズ」と「ニーズ」の両立をみなければならない のです。

そうすれば市場機会の発見ができ、いい商品∞売れる商品をつくることができるでしょう。

ユニクロの柳井正社長が 『成功は一日で捨て去れ』(新潮社)の中で、
「マーケットインとプロダクトアウト両方を強化していきます」
とお話されていました。

これこそ、「シーズ」と「ニーズ」の両立であり、市場機会の発見ではないでしょうか。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 23:10| 秋田 ☁| Comment(11) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月03日

デザインは飾り付けだけではない!

モノづくりでデザインは、かなり重要な位置にあると思っています。
しかし、デザインは最後の飾り付けだけ、パッケージだけやればいいといった安易な考え方をしている人がかなりいます。

これまで見てきた商品開発で、安易な考え方でデザインを使っているモノは、たいてい売れゆきが良くありません。
また学生がデザインしたモノも、一時、新聞などのメディアで話題になり、好評を得ますが、時期を過ぎると商品自体が安く感じてくるせいか、売れなくなります。
(売れてると豪語する人もいますが、しっかりと現実をみましょう)


なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?


結論からお話しますと、デザインを理解していないですし、デザインを安くみているからです。

売れないモノに化粧してもダメなのです。


デザインを辞書で引くと…

設計する
計画する
企てる
下図、図案をつくる

などの意味があります。

デザインとは、開発すべてに共通するものを考えることなのです(ここが本質的なデザイン)。 そしてデザイナーがこれを踏まえ、リアリティーあるモノに仕立てて商品となるのです。

ですからデザインは、市場や生活者を見つめ、ターゲット(対象)を意識するところから始めなくてはいけません。

デザインの本質は、

見えないものを(Invisible)

見えるものに(Visible)

具体的には、その時代に生活する人達の「考え」「意図」(Invisible)を、「形態」(Visible)として表示することなのです。


デザインには対象がある

デザインには意図がある

デザインは美しくなければならない


つまり、その時代に生きる人々がより豊かな暮らしをするための提案をする作業が、「デザイン」なのです。

そして、提案する作業そのものが「商品開発」なのです。

「商品開発」の一部が「デザイン」なのではなく、「デザイン」と「商品開発」は同等なのです。


飾りつけだけ、パッケージだけにデザインを使うことは間違いだということ、そして、デザインがモノづくりにおいて、かなり重要な位置にあることが理解できたかと思います。


大手広告代理店の博報堂は、一つの商品パッケージと広告を仕上げるのに、その会社の社員研修から手掛けるというお話を聞いたことがあります。

まさにこれが、デザインのあり方ですね。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 00:00| 秋田 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | デザイン・カラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月01日

7〜8割がダメといった商品は、売れる?

2〜3割の人がよいといい、

7〜8割の人がダメといった商品は、

売れる可能性がある。


あくまでもマッドハカセの自論ですが、これまでの傾向を見ているとほぼ当てはまります。

「UNO」のCMをつくったコピーライターの谷山雅計さんは、以前キリンビバレッジの「生茶」も手掛けていました。「生茶」の味をモニター調査すると、一部の人はおいしいといってくれたそうですが、大体の人は生臭い≠ネどとダメだしをしたそうです。しかし、蓋を開けると「生茶」は大ヒットしました。

おそらくこの時も、2〜3割の人がよいといい、7〜8割の人がダメといったのだろうと思われます。


逆に、ほとんどの人がよいといった商品はどうなのでしょうか?


ある大手食肉加工メーカーの商品開発のお話です。

「どんなウインナーが欲しいですか?」とアンケートを取ったところ、返ってくる答えが「野菜入りウインナー」だったそうです。しかし、野菜入りウインナーは売れたためしがないそうです。

これは今時の手法と言われている、マーケットイン≠フ考え方でつくられた商品なのですが…


ユニクロの柳井正社長が 『成功は一日で捨て去れ』(新潮社)の中で、
「マーケットインとプロダクトアウト両方を強化していきます」
とお話されていました。

プロダクトアウト≠ヘ30年前の手法だと毛嫌いされている感がありますが、この手法もなくては売れるものはできないということだと思います。つまり、みんながいいというだけのモノづくりではなく、ダメといわれても提案していくこともモノづくりには必要なのです。

マーケットインとプロダクトアウト両方を強化する…

これこそが、先の法則(自論)の根っこかもしれません。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 23:55| 秋田 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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