しばらくの間、お出かけしていました。
仙台周辺へ行ってたのですが、以前に比べて街中に人がいないように感じました。世界経済低迷の影響なのか、郊外に大型ショッピングセンターができたせいなのか、原因ははっきりませんが、人が少ない事実に間違いはありません。
仙台から戻って「日経ビジネスONLINE」を見ていたら、面白い記事を発見したのでご紹介します。
恐慌と鬱の経済学人間心理から見た経済の病要約はこうです。
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過去の歴史に照らせば、経済危機は人々に伝播した「不安」から広がった。
不景気の世に蔓延する個人の「鬱」もまた、経済、企業を蝕む。
不安の社会規模での連鎖、企業レベル、個人レベルでの深化は危機を増幅させる。
経済全体がパニックに陥る「恐慌」と最近ビジネスマンに蔓延すると言われる「鬱」。一見、何の関係もなさそうに見える両者だが、マクロとミクロという違いこそあれ、実は心理学的に見れば同じメカニズムが働いている。しかもいずれも甚大な経済的損失を社会に与えるという結果も同じだ。
だとすれば、そのメカニズムを解き明かすことで、経済的な損失をいかに抑えるか、という対策も見えてくるはず。
人間心理の分析を基に、「恐慌と鬱の経済学」を検証したい。まずはマクロ的現象である恐慌から。
(2009年2月3日 日経ビジネスONLINEより引用)
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このお話の根底にある理論が、ニューロエコノミクス(神経経済学)です。
ニューロエコノミクスとは、2002年にノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授が考案したもので、人の経済行動は理性だけでなく、「感情」を重視するというものです。
人間は、
理性(IQ=知能指数)と
感情(EQ=感情指数)がバランスよく機能してこそ生きていける動物なのだそうです。
IQとEQのバランスが崩れた状態になると、恐怖のような否定的な感情を引き起こし、経済恐慌が引き起こされるわけだそうです。
高度経済成長時代・バブル崩壊前の日本では、多くの企業(法人)でIQとEQの調和が取れていたのですが、バブル崩壊後にはIQ過大でEQ無視の時代がやってくるのです。
バブル崩壊後、自信を喪失した日本企業は、分かりやすい欧米式の「効率化」「成果主義」の導入に躍起になってしまい、またしてもIQとEQのバランスが失われました。競争型、分析型、問題解決型の知性(IQ)の比率ばかりを極端に高くすることが業績向上の特効薬と勘違いされてしまったようです。
この極端な治療方針に従った結果、現在、日本の多くの会社の職場のメンタルヘルスの状態は最悪で、心の問題による休職者が増加の一途をたどり、この10年間、自殺者が毎年3万人を超す状況になっているわけなのです。
(2009年2月3日 日経ビジネスONLINEより)
少々お話が難しくなってしまいましたが、
理性(IQ)と
感情(EQ)がバランスを崩した今の世の中ですから、ないがしろにされた
「感情」が求められているのですね。
以前、マッドハカセはモノづくりに
「感性能」が必要だとお話しました。
「感性」には「感情」の意味も含まれていますから、モノづくりに
「感性能」が必要だということがよくわかったと思います。
人々が無意識に欲しいと思っているモノ、それを理論的に探す術が必要な社会になっているようです。
ニューロエコノミクスを深く知りたい方は、こちらをどうぞ。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 23:58| 秋田 ☔|
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