ワインディングロードに向かう前、「ランエボX(三菱)」と「M3(BMW)」を並べて小休止。
あらためて2台のエクステリアとインテリアを比較してみました。
「ランエボX」は先代に比べてかなり大きくなったようで、「M3」の方がやや小さく見えます。フロントはアウディーのように大きく開いたグリルが印象的で、その上部から放射状に延びるラインからはタダものではない雰囲気が漂ってきます。また先代のランエボに比べ、デザインに統一性があり、きれいにまとまっています。
インテリアはその雰囲気を壊すことなくデザインされており、体にすばらしくフィットするレカロ社製シートに座った瞬間から走りの戦闘態勢に入ってしまいます。ステアリングの太さも心地よく、クルマとの一体感が感じられます。
すべてにおいてすばらしい出来と言っていいですね!
あえて欠点を挙げるとすれば、リアの視覚が十分確保されていないことですね…

対する「M3」は、2001年型の1世代前の車です。しかしそのデザインはとても堂々としていて、古さを感じることはありませんでした。20年先のデザインを目指しているBMW、その魅力はこの先何十年経っても色あせることはないように思えます。
さて、インテリアはどうでしょうか?
BMWと聞けば「ドイツの高級車」というイメージの方もいるかと思いますが、そのイメージで乗り込むと少々がっかりさせられるかもしれません。高級なイメージはシートがレザーという点だけで、その他のパーツからは高級感は感じられませんでした。マッドハカセの個人的な意見ですが、レザーシートには全くメリットがありません。すぐにヨレヨレになりますし、滑るので走行中に体が動いてしまうからです。
しかし「M3」には、すばらしい美点が一つありました。それは、調整機構をあれこれいじらなくてもドライビングポジションが“ピタッ”と決まるのです。さすがにそこは、高級車の意地なのでしょうか?

さて、いよいよ秋田八幡平のワインディングロードでの乗り比べです!

「ランエボX」からレポートを始めましょう。
「ランエボX」は先代モデルに比べて大きくなりすぎて、これまでのような走りの満足感が得られるのかが最大の焦点でした。
しかし、大きさなんてなんのその!カントリーロードを走り抜けるのに「ランエボX」ほど適した車はありません。これまでよりリアの剛性が高められたせいか、走りは今まで以上に洗練されており、より速く落ち着いたクルマに仕上がっているようでした。曲がり始めるときにフロントヘビーな感じを受けますが、それでも鋭くコーナーに切れ込み、少々の凸凹でも安定しています。つまり、どのような入り方をしてもそれに対応できるだけのパフォーマンスを持っているのです!あらゆる状況においても揺らぐことのない「ランエボX」は、ワインディングロードのすべてをインプットしているかのように走り抜けていきます。
ツインクラッチの「SST」はとてもすばらしく、パワーをロスすることなく走ることができます!噂通りの出来でしたが、シフトダウンの際の反応が少々遅いように感じました。
次に「M3」のレポートです。
「M3」は、そのままで走っても十分に高いポテンシャルを持っていましたが、スポーツボタンを押した瞬間に、アクセルレスポンス、ギヤの入り、足回り、ステアリングの切れ角など、すべてがスポーティーになります。驚くのはエンジンのレスポンスの速さです!スーパーカー並みの速さと言っても過言ではありません。
「M3」のコーナーを曲がる感覚は、まるでミッドシップの車に乗っているかのようです。曲り始めは弱いアンダーステアを感じ、前が負けるような感覚を覚えますが、アクセルオンにすると後ろがきれいに出ます。
「ランエボX」のように鋭くコーナーに切れ込むようではありませんが、ラインがきれいに決まります。そこには、通常のBMW Mスポーツにはない前後の重心移動があったように思われます。つまり、ポルシェが曲がるときに強くブレーキングさせて重心移動させるその美学(!?)です!走るために作られたポルシェやフェラーリのような形状ではない、FRクーペの「M3」がそれをこなす。なんとも不思議な感覚を体験したのと同時に、「駆け抜ける歓び」を感じました。
しかし、シフトチェンジをしたときの“ゴリッ”とした感じは、最後まで頂けませんでした…
「ランエボX」と「M3」、
これまでの勝負は引き分けです。
しかし、あえて評価するならば、マッドハカセの見解はこうなります。
◆コストパフォーマンス◆ 「ランエボX」
◆エクステリア◆ 「M3」
◆インテリア◆ 「ランエボX」
◆サウンド◆ 「ランエボX」
◆加速性能◆ 「ランエボX」
◆ブレーキ性能◆ 「ランエボX」
◆エンジン性能◆ 「M3」
◆ハンドリング◆ 「M3」
◆街乗りでの使いやすさ◆ 「M3」
◆高速での速さ・安定性◆ 「M3」
◆ワインディングの速さ◆ 「ランエボX」
◆燃費性能◆ 「M3」
サーキットが向こうに見えるような、贅肉をそぎ落とした筋肉質なフィーリングのこの2台の乗り比べを終えて、マッドハカセは自分のクルマに乗りました。
小さくて軽くてパワーも十分にあるクルマなのですが、ふくよかに思えたのは気のせいではありませんね。
posted by 田舎のマッドサイエンティスト at 01:52| 秋田 ☁|
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